2025年9月16日火曜日

「乳児嚥下」ってご存知ですか?

こんにちは。

立川市歯科島津医院 院長の島津です。


9月に入ったとはいえ、依然厳しい暑さが続いております。

体調はお変わりないでしょうか。


さて、本日は赤ちゃんと大人の嚥下について

お話したいと思います。


固形物を摂取できない赤ちゃんは、

母乳やミルクを飲む際に、

舌を前方に突き出す特徴的な飲み込み方をしており、

これを「乳児嚥下」といいます。


乳児嚥下は、おっぱいに吸い付くのに適しており、

口を開けたまま鼻で呼吸を続けながら、

舌を前後に動かして乳汁を飲み込みます。


一方大人は、口を開けたまま飲み込むのは難しく、

口唇は閉じたまま、舌の位置は口蓋に押し付けて固定されています。

日常的に無意識で食事をしていると気づきづらいですが、

口を開けたままや、舌が出たままだと嚥下できないことが

おわかりいただけると思います。


この乳児嚥下から、固形物を食べる際に舌を上あごに押し付ける

「成人嚥下」へと自然に移行することが、

口腔機能の発達に重要です。


「乳児嚥下」と「成人嚥下」の違いは他にもあり、

乳児嚥下は、嚥下時に呼吸停止が短く行われ、

成人嚥下は、呼吸停止して嚥下が行われます。



生後5~6ヶ月頃から離乳が始まり、

食べ物の性状や硬さに応じて飲み込み方が変化していきます。

歯が生え揃うようになり上下の歯で固形物を噛みつぶす

「咀嚼」ができるようになると、

舌の動きも前後の動きから、

上下の歯に食べ物を押し付ける動きへと変化し、

成人嚥下への移行が開始されます。


長期的な哺乳瓶や授乳、おしゃぶりの使用、吸指癖、

および口腔周囲の筋肉の機能不全などがあると、

固形物を食べる時期になっても乳児嚥下が残存してしまい、

「異常嚥下癖」となります。

出っ歯や開咬(前歯が噛み合わない状態)を引き起こしたり、

唾液や食べ物の残留、発音の不明瞭さなどの

症状が現れることがあります。


又、0歳からのストローや

スパウトなどの使用にも注意が必要です。



3歳頃になると、哺乳瓶からスプーン飲みやコップ飲みに移行し、

上手く行えるようになっているので、

この段階でストロー飲みを始めるのが良いとされています。


赤ちゃんのお口の機能が発展途上にあるため、

離乳食が始まったらスプーン飲みがおすすめです。

赤ちゃんの上唇や舌の筋肉が鍛えられ、

正しいお口の機能の発達が促されます。


少量の水をすするように飲む練習をすることで、

赤ちゃんが液体の流れを意識し、

喉に送る方法を学べます。


我が家の0歳児も少しずつスプーン飲みに

チャレンジしています!


最初は取り込む量が分からずむせてしまうこともありましたが、

慣れ始めると、上口唇で適量を取り込めるようになりました。



上唇の下がりが悪いときにスプーンを上方に抜いてしまうと

上唇を下げなくても取り込めてしまうので、

発達を促すには上唇が下がるまで待つ様にします。


スプーンは、浅めの方が良いとされています。

これは、お年寄りの食事の介助をする時と共通しています。


このようにお口周りの筋肉、歯並び、咀嚼効率の良い口腔環境、

唾液、舌の位置や運動が調和し、

嚥下に繋がっていきます。


「体の健康はお口から」

赤ちゃんからご老人まで、

歯だけではなく、口腔機能が保てるお手伝いを

歯科島津医院はさせていただいております。

まずは、ご相談お待ちしております。



そろそろ⾦⽊犀の⾹りが漂う頃でしょうか。

秋の深まりを感じながら、

⼼安らぐひとときをお過ごしください。




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歯科島津医院
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